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2023-10

フロイト全集第19巻

1925-28年 否定 制止,症状,不安 素人分析の問題 (フロイト全集 第19巻)1925-28年 否定 制止,症状,不安 素人分析の問題 (フロイト全集 第19巻)
(2010/06/26)
フロイト

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フロイト全集は、その後も順調に届いていたのですが、こちらのページの更新をさぼっていました。まとめて投稿します。

収録論文
●否定●制止,症状,不安●素人分析の問題●解剖学的な性差の若干の心的帰結●精神分析●『ユダヤ・プレスセンター・チューリヒ』編集人宛書簡●ヘブライ大学開校式に際して●アウグスト・アイヒホルン著『不良少年たち』へのはしがき●夢解釈の全体への若干の補遺●ヨーゼフ・ブロイアー追悼●ライク博士ともぐり診療の問題●ブナイ・ブリース協会会員への挨拶●ロマン・ロランに宛てて●カール・アブラハム追悼●E.ピックワース・ファロウ著「生後6カ月の幼年期の想い出」についての見解●エーヴァルト・ヘーリングについてのコメント●フモール●フェティシズム●ある宗教体験●ドストエフスキーと父親殺し●リットン・ストレイチ宛書簡

月報16
アドルノ、アーレントとフロイト 細見和之
素人による精神分析読解の問題 國分弘一郎
「父殺し」と現代 亀山郁夫

次回第17回配本は、第14巻『症例「狼男」 メタサイコロジー諸篇』で、2010年9月末の刊行予定とのことであったが、もちろんすでに刊行されている。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

コメント

亀山郁男さん

ロシア文学の亀山さんですか?ドストエフスキーとかロシアアバンギャルドとか。カラマーゾフの兄弟は父殺しの話ですね、そういえば。。フロイトの本で亀山郁男さんのお名前を拝見するとは。

「父殺し」と現代でした

早速のコメント、ありがとうございます。おかげで変換ミスにきづきました。たしかに「カラマーゾフの兄弟」を翻訳した亀山郁男です。私が大学時代に読んだのは岩波文庫だったので米川正夫さんの翻訳だったようですね。月報の文章では、現代の「父殺し」として、村上春樹の「海辺のカフカ」をあげて、「カラマーゾフの兄弟」と比較しています。「カラマーゾフの兄弟」については、フロイトによる分析「ドストエフスキーと父親殺し」があり、亀山氏は彼の分析を評価しているのですが、それではフロイトがもし「海辺のカフカ」を分析したらどうだったか、という問題提起をしています。亀山氏の考えによれば、「海辺のカフカ」にみる「父親殺し」は、古典的なそれとは様変わりしてしまったというのですが……。フロイト贔屓のわたしには、この月報に載るような文章自体が、どれも父親殺し(フロイト殺し)、すなわちフロイトをいったん褒めておいて無価値化しようとする態度に見えてしまうのですが。村上春樹の文章は、私には「心地よい夢」のように思えます。ドストエフスキーのような深い葛藤がないのは、そこに現実感が欠如しているからで、それが現代的といえばいえるでしょうが、エディプス願望の充足という点ではかわりません。「ハードボイルドワンダーランド」もですが、あんなにあからさまに近親相姦願望を描いて、あんまり罪悪感をかきたてないというのは、見事だと思いますけどね。

父殺しの文学

ごめんなさい!いま、wikiで調べたら、「郁夫」さんでした。
月報ご紹介ありがとうございます。亀山さんの「ロシア・アヴァンギャルド(岩波新書)」は、簡易な類書がないので読ませていただきました。カラマーゾフ続編妄想は飽きてしまって途中で放り出したままです。涙。カラマーゾフは私は最初新潮の江川卓訳で読み、のちに米川さんの訳を読み、好きになりました。特に2巻のイワンの告白のところは、翻訳本を読んでいることを忘れてしまいます。演劇的。
それにしてもなぜ村上春樹小説なんでしょうね..?父殺しと言えば、中上健次の秋幸シリーズがあるのに。あまりにも「古典的」だから比較にならないということでしょうか。
村上春樹作品はゲーム感覚っぽいところが今時の男の子受けするのかな、とは思いますが、「父殺し」がこの作家にとって重要なテーマだとは思えません。巨大な悪や支配する者の記号として用いられているかもしれませんが、「..カフカ」でも結局生身の父と自己の間の葛藤は結局描かれていないと思います。
そういえば、大江健三郎はどうだったでしょう。「万延元年のフットボール」は大好きな作品ですが、「父」が出てきたという記憶がない。。。曾祖父、兄弟、ドメスティックなお話なのに。今度ざっと見返してみます。

私も間違えていましたね

カラマーゾフはあれだけの長編で、でも最後はまだこれからが本番という終わり方でしたね。続編妄想というのがあるとは知りませんでした。続編を書けるのはドストエフスキーだけでしょうけれどね。ドストエフスキーは、対立するそれぞれの立場が迫真の説得力をもって自説を述べ、それがぶつかり合うっていうのがすごいなあと思いました。自分が中年期すぎてからは、トルストイの方が好きになりましたが。「戦争と平和」はやはりスケールの大きな名作ですね。この時期のロシアにこれだけの文豪が二人も現れたのは、社会がむちゃくちゃな矛盾を抱えていたっていうこともあるのでしょうね。
なぜ村上春樹かというのは、書いた人に聞かないとわかりませんが、なんかたまたま今読み終わったので書くというような文章でしたので、深い意味はないのかもしれません。
大江健三郎さんの作品はひとつも読んでいません。また機会があれば。いろいろご教示ありがとうございます。

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Author:重元 寛人
重元寛人です。本名は佐藤寛といいます。
フロイト全集の読解を再開いたします。よろしく。


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