反ユダヤ主義にひとこと
反ユダヤ主義にひとこと(渡辺哲夫 訳 2007)
Ein Wort zum Antisemitismus (1938)
初出は「未来へ 新たなるドイツ、新たなるヨーロッパ!」という雑誌。フロイトがどこかで読んだが忘れてしまった文章からの引用という体裁をとっている。全集の解題や標準版の編集者注によれば、引用されている文章は実はフロイト自身による可能性が高いとのこと。
「彼はどちらかというと気に入らない見解を述べるにあたって間接的な方法を選ぶ人だったのだ。(標準版解説)」
よくわからないが、フロイト自身ユダヤ出身という立場から反ユダヤ主義への抵抗運動に参加することには、あまり気がすすまなかったようである。
引用した部分の「真理の宗教」とは、フロイトが晩年に到達した、無宗教でありながらある種宗教的な、真理を求める真摯な態度をさすのであろう。この件については、「モーセという男と一神教」の記事「預言者フロイト」でも述べた。
Ein Wort zum Antisemitismus (1938)
愛の宗教とヒューマニズムの外に、なお真理の宗教なるものが存在するのであって、この真理の宗教は反ユダヤ主義に対する抵抗においてあまりにも軽視されすぎている。(22-270)
初出は「未来へ 新たなるドイツ、新たなるヨーロッパ!」という雑誌。フロイトがどこかで読んだが忘れてしまった文章からの引用という体裁をとっている。全集の解題や標準版の編集者注によれば、引用されている文章は実はフロイト自身による可能性が高いとのこと。
「彼はどちらかというと気に入らない見解を述べるにあたって間接的な方法を選ぶ人だったのだ。(標準版解説)」
よくわからないが、フロイト自身ユダヤ出身という立場から反ユダヤ主義への抵抗運動に参加することには、あまり気がすすまなかったようである。
引用した部分の「真理の宗教」とは、フロイトが晩年に到達した、無宗教でありながらある種宗教的な、真理を求める真摯な態度をさすのであろう。この件については、「モーセという男と一神教」の記事「預言者フロイト」でも述べた。
2007.9.8
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