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2021-04

大学記念留学奨学金によるパリおよびベルリンへの研究旅行(1885年10月-1886年3月末)に関する報告書

大学記念留学奨学金によるパリおよびベルリンへの研究旅行(1885年10月-1886年3月末)に関する報告書(兼本浩祐 訳 2009)
Bericht über meine mit Universitäts-Jubiläums-Reisestipendium unternommene Studienreise nach Paris und Berlin Oktober 1885-Ende März 1886

 フロイトが奨学金で行った半年間の留学の報告書である。留学の主な行き先はパリのサルペトリエール病院であり、そこでジャン・マルタン・シャルコー教授に学ぶことが、当初から最大の目的であった。シャルコーは神経疾患の診療に熱心に取り組みつつ、若い医師や留学生を平等に受け入れて教育にも力を入れていた。その粘り強い診療と若い医師への分け隔てをしない人柄に、フロイトも「同じ立場にあった他の全ての外国人と同様に、シャルコーの無条件の信奉者となったサルペトリエールを後にした(1-136)」と述べている。
 このシャルコーとの出会いが、若きフロイトの将来を決定づけた。

シャルコーの口ぐせは、「解剖学は大筋では完成し、神経家の器質性疾患に関する学説はおおよそは出来上がった。だから今度は神経症に取り組む番だ」であった。(1-137)

 当時ヒステリーについては、詐病のような扱いをうけて真剣な医療の対象になっていなかったところもあるが、シャルコーは患者に真剣に向き合い、催眠を使っての治療を試みていた。フロイトもその診療に魅了され、帰国後にはしだいに熱意をもってヒステリーや他の神経症の治療に向かうようになったことは周知のとおりである。

H21.9.12

テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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重元寛人です。本名は佐藤寛といいます。
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