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子供の性教育にむけて

子供の性教育にむけて (道籏泰三 訳 2007)
Zur sexuellen Aufklärung der Kinder (1907)

 フロイトが、ハンブルグの医者、M・フュルスト博士の問い合わせに答える形で著した公開書簡。「子供の性教育をどうするか」という問題についてのこの文章が、100年たった現在でも少しも新鮮さを失っていない点に、まずは驚かされる。つまり、ここで取り扱われている問題は今日でもなお「解決済み」になっていないどころか、おそらく当時の状況とほとんど変わっていないのかもしれない。

 フュルスト博士の質問は3点。1)子供に性教育を行うべきか、2)行うのであれば何歳くらいに、3)いかなる方法で、というものである。

 一番目の点については、フロイトは議論の余地なしと切り捨てている。つまり「行うべき」であると。大人がそれを子供に秘密にしようとする態度自体が、多くの弊害をもたらしている。ちょっと皮肉っぽい表現で述べた以下の文章がおもしろい。

「お利巧さ」に重きを置くあまり、自分で考えるという子供の能力をできるだけ早期に圧殺するというのが教育者の意図であるとしますと、そのために何より有効な試みは、性の領域で道に迷わせ、宗教の領域で脅しつけることです。(9-222)



 性教育の問題を超えて、教育と学問の違いということを考えさせられた。子供に対して外から与えるのが教育であり、もちろんそれも必要なことではあるが、自らの内的欲求から追及する学問とは根本的なところから異なるものである。

 第二と第三の点については、具体的なところは議論の余地のあるところとしながらも、ひとつの提案を示している。第一に、大人が性生活についての事実を秘密にしたがっているという印象を与えないような態度が重要である。実際の教育は学校教育においてなされるのがよく、まず動物界における生殖の事実の重要性を教え、人間も他の高等動物と同等の存在であることを強調する。その上で、人間に特有の性生活についての事情を十歳を超える前に教え、性生活にまつわる倫理的義務については堅信礼(十五歳)の時に教えるのがよかろうと。

 ただし、家庭での性教育についてはあまり具体的なことは書かれていない。フロイト家では、どんな風だったのであろうか。

テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌

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