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戦争神経症者の電気治療についての所見

戦争神経症者の電気治療についての所見(須藤訓任 訳 2006)
Gutachten über die electrische Behandlung der Kriegsneurotiker (1920)


 第一次大戦中に行われた戦争神経症の電気治療について、戦後オーストリア国防省は実態を調べるための調査委員会を組織した。委員会の求めに応じて、フロイトが1920年に提出したのがこの文書である。(全集解題より。ただし、ほぼ英訳標準版の引き写しの情報。そもそもこの文書をフロイトの著作として採用したのは、英訳標準版が最初。)

 公式文書としての抑えられた表現の中に、フロイトの心情が表れている。
 戦争神経症に対してなされた電気治療が「痛ましい治療」であったと、患者のことを慮っている。
 一方、それを施行した医者もまた苦しい立場に立たされていたことを指摘している。

しかし、この治療法ははじめからある汚点に付きまとわれていた。(中略)医学はまさにこの場合、医学とは本質的に異質な意図に奉仕していた。医者自身が戦争の官吏であり、自分に割り当てられた指令以外に意を払うなら、降格や役務怠慢の非難という危険がわが身にふりかかってくることを恐れなければならなかった。常ならば医者にとって主導的なものである人道上の要求と、国民戦争上の要求との解きがたい葛藤が医者の活動をも混乱させずにはおかなかったのである。(17-232)

 戦争と医療という問題について、考えさせられる一文である。

H19.3.25

テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌

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