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J・ヴァーレンドンク著『白昼夢の心理学』へのはしがき

J・ヴァーレンドンク著『白昼夢の心理学』へのはしがき(須藤訓任 訳 2006)
Geleitwort zu J. Varendonck "Über das Vorbewußte phantasierende Denken"(1921)

 J・ヴァーレンドンクの『白昼夢の心理学』(The Psychol.ogy of Day-Dreams, 1921)によせられたフロイトの前書き。もとが英語の著作であり、この文章もフロイトが英語で書いている。後にアンナ・フロイトによって翻訳された独語版につけられたバージョンもS・フロイトが書いたようだが、なぜかこちらは前半部分だけに切り詰められている。そんなわけで、日本語訳は前半は独語からの、後半は英語からの翻訳になっている。
 スタンダード・エディションに掲載された英語版をみてみたが、ややわかりにくい英語である。そのためか、日本語訳でも後半部分にわかりにくいところがある。"intentionally directed reflection"を「意図的に方向の定められた反省」とするなど、日本語訳にも無理がある。異なる原語には異なる日本語を対応させるという方針を貫いた結果であろうか。

 ここでは、英語版だけに存在する後半部分に重要な指摘がなされている。前意識的思考(注)という言葉が誤解を招きやすいもので、白昼夢の特異性はそれがなされる意識状態にあるのではなく、その思考の運び方の様式に注目して「とめどなくさまよう思考ないし空想的な思考」と表示する方がよい、と述べられている。

注:フロイトは"fore-conscious thinking"と書いており、スタンダード・エディションでの"preconscious"という訳語とは異なっている。

追記:この文章の前半はヴァーレンドンクの著作を推奨する内容になっているが、後半では本質的な部分への批判がなされており、著作の前書きとしてはどうかという気もする。独語版でカットされたのはそのためだろうか。

H19.5.17

テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌

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