2018-07

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神経症と精神病

神経症と精神病(全集18-239 吉田耕太郎訳 2007)
Neurose und Psychose (1923)


 論文「自我とエス」で導入した心的装置の3つの区分を、精神疾患の大きな分類の病理理解に結びつけようとした仮説。

転移神経症は自我とエスとの間の葛藤に対応している。そしてナルシス的神経症は自我と超自我との間の葛藤に対応し、精神病は自我と外界の間の葛藤に対応している。(22-242)


 転移神経症は精神分析によってもっともよく研究されてきた疾患である。自我とエスの葛藤は、抑圧に続く妥協としての症状形成をもたらす。
 ナルシス的神経症の代表はメランコリーであり、超自我に責め立てられた自我がうなだれて生きる意欲も失ってしまう。
 精神病では、受け入れがたい外界の現実は否認され、エスの要求に合うよう幻覚や妄想によって作りかえられる。
 そして病気ではない正常状態では、さまざまな葛藤はいろいろな防衛手段や自我の一貫性のない振舞いによってなんとかもちこたえられる。

 単純でわかりやすい図式であり、これをもとにいろいろな考察ができそうだ。
 外界の現実は、どんな疾患であれ正常状態であれ、多少とも歪んでとらえれている。精神病においてはその歪みが、「他者からの容認」という一線を越えてしまう。そうなるための要因はなにか。
 単なる量的な問題なのかもしれないし、そのように定義したからそうなるので、「なぜ」という問い自体無意味なのかもしれない。
 しかしそれでも、この件に関してどうも「なぜ」と問いたくなる。それはおそらく、主体によって外界が作りかえられることが異様に思える程に、われわれは自分の現実認知を、実はたいした根拠なしに、信頼しているからなのだろう。
2007.11.26

テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌

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