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2020-04

フロイト殺し

フロイト思想研究会 第一回大会 というのに行って来た。


大会会長は新宮一成氏で、フロイトの思想を軸に多方面からの研究をめざすという趣旨の会のようだ。
参加資格は特になく、1000円の参加費を払えば誰でも参加できる。


用意された会場がいっぱいになって椅子を持ち込む程の盛況であった。
たまたま前の方の席だったので、有名な先生方の顔を間近に見ることができたな。


講演、一般演題、シンポジウムと内容は多岐にわたったが、ラカンの話がけっこう多くて、そこの部分はほとんどわからなかった。


エディプスコンプレクスについての会長講演を受けて、特別講演の坂部恵氏が「私は今から『フロイト殺し』をする」と言ったのが印象的であった。


これは私が常々思っていたことであるのだが、フロイトについての解説や研究書の類を読むと、フロイト自身の著作との間にどうもギャップを感じることが多いのだ。
ひとつには、フロイトの思考が多岐にわたり複雑なために、うまくまとめて解説できないということもあるだろう。
しかし、明らかにそうではないものもある。
特に哲学系の研究に多いのだが、フロイトを語るのにフロイトが用いなかった言葉をやたらと使うというもの。


フロイトのすばらしさというのは、そのモデルであり、概念である。
それらによって、心の多岐にわたる現象がかなりうまく説明できるし、さらに難しい問題を考えるのに役に立つ。

それなのに、そのフロイトの思想を論じるのに、また別の言葉を持ってくるというのは、モデルが不完全であるといっているに等しいではないか。
もちろん、フロイト理論といえども完全ではないから、さらに新しい概念の導入が必要なこともあるかもしれないが。


こういうフロイト理論に新たな概念を付け加えて発展させようという試みは、実は偉大なる父フロイトに対する反発の試みなのではないかとも見えてしまう。
父を否定し父に取って代わりたいという息子の欲望。まさに、エディプス的な状況ですね。
ある意味、あからさまな反フロイトよりもたちが悪いかもしれないな。


ちょっと批判めいたことになったが、興味深い演題も多く、いろいろ勉強させていただいた。


そして、なによりよかったのは、懇親会。


フロイト全集の訳者の面々とか、いろいろ有名な先生が参加されていたので、思い切って声をかけ、いろいろなお話を直接うかがえたのであった。


また、岩波書店の編集者の方も見えていて、フロイト全集の進捗状況などについても聞くことができた。


大会は年一回の予定とのこと。是非また来年も参加してみたい。

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Author:重元 寛人
重元寛人です。本名は佐藤寛といいます。
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