FC2ブログ

2020-04

かわいい!

セーイチさんのブログ「発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版」の記事「Love is destructive」からの連想。

私はフェアバーンについても「Love is destructive」についてもよく知らないので、見当はずれな連想かもしれないが。
「かわいい」という感情には、攻撃的で破壊的なものが秘められていると以前から思っていた。

1.「かわいい」というのは愛情の一種だが、そこには「自分が相手より上の立場にある」という前提がある。その証拠に、目上の人に「かわいいですね」というのは失礼にあたる。子供もある程度成長すると「かわいい」と言われるのを不満に感じるようになる。
2.かわいいための必要条件としては、相手が自分に従順であるということがある。この条件が崩れると、「かわいい」は「生意気」になり、「かわいさあまって憎さ百倍」となる。
3.「食べちゃいたいくらいかわいい」とか「目に入れても痛くない程かわいい」など、かわいいものを取り込みたいというニュアンスがある。

つまり、かわいいというのは、弱くて従順なものに対する憐れみと優越感を含み、さらにその対象を取り込みたいという欲望をはらんだ愛情であろう。かわいいの原型は親の子に対する愛情であり、かつて自分の体の一部だった存在と再度一体化したいという願望なのかもしれない。

コメント

はじめまして。
日本語の「愛」には位置エネルギーがあるかも。「可愛い」や「愛らしい」は、上から下への感情だし、それは「かわいそう」という感情のバリエーションみたいだし。
下から上への「愛」は何というだろう? 「慕う」でしょうか?

ありがとうございます。
「慕う」は綺麗ですね。遠い感じもします。
「甘える」はどうでしょう。基本的に下から上だし、密着して破壊的な要素もあります。

ところで、近頃はやりの「萌える」は、やはり「二次元への愛」でしょうかね。

「甘える」は良いですね。「刀の切れを甘くする=鈍くする」という意味もあったと思います。破壊的です。ただ、土居健郎先生が考察済みだから、他にないかな、と。
「恋」は「乞う」を基にしてますよね。これは、奪い取ろうという身振りがある。でも、Love is destructive は、赤ん坊のころの「下から上への愛」も射程に含めてるし、「恋」だとそこまで届かないし。

「かわいい」が実感から出た言葉だとすると、下から上への愛について同じように実感から出た言葉はないんじゃないかな。赤ん坊は言葉が使えないから。
「甘える」にしても、外からの視点による描写でしょう。

言葉には、それを当てはめることで元のものを美化、正当化する作用があると思います。(あるいはそのために言葉が発明されたのかも。)
「かわいい」と言うと、それがはらむ攻撃性はマスクされてしまって、「かわいがっているんだからいいでしょう」となる。大人の都合ですね。

こわもての人が「かわいがってやろうか」などと言ったら「懲らしめてやろう」という意味なんですがね。意外にこういった使用に真実が表れているような気もします。

「かわいがっちゃる」はピッタリだなあ。怖いですね(笑)。
幼児期の想いは、大きくなったら「食べちゃいたい」とかになるのでしょうか。「しゃぶり尽くしたい」とか。「慕う」の面白いのは、この「莫」の部分が「亡くなった者」を表してるところです。「墓」「幕」「暮」のように。それを生者に転用してるところに怖い感じがするのですが。

関西弁だと「かわいがったろかー」になるんでしょうか。これのぞっとするような怖さは、無力な頃に感じた親への恐怖心を思い出すからという気がします。

「慕う」が遠い感じがしたのは、そういうことだったのですね。対象喪失と関連があるのかな。

幼児から親へ向けられた攻撃的な愛というのは、なかなか想像しがたいですね。スプリットされた愛と憎しみが、実は同じ対象に向けられていたということに気づく、抑うつポジションの頃のことでしょうか。

幼児は親に憎しみを感じてはないと思います。フェアバーンの考えでは。そうではなく、幼児の愛は、乳房から乳を吸い取ることで成立している。そこに「乳房の破壊」がある。抽象化すると「愛」とは、相手の人生を一部を自分のために無駄にしてもらうこと。「人生」も「命」も Leben(または life)という一つの言葉で表される言語圏では、人生=命を奪う行為が「愛(Lieben)」となります。
あと、日本語の古語を調べてみたら、食事をする行為が昔「すく」と呼ばれてますね。日本書紀で「喰く」と書いて「すく」と読む。「空く、透く、梳く」あたりと同根として、これが「好き」の語源だとすると、相手を食べ尽くし空っぽにしてしまいたい気持ちが「好き」なのかも知れません。
以上、長々とお邪魔してすみませんでした。

いや、いろいろ勉強になりました。
上から下の愛も、元は下から上の愛から来ているんでしょうね。食べちゃいたいというところは共通で。
私は大人になっちゃったので「かわいい」の方が実感があるのですが、対象に昔の自分自身を見、優越感はかつての寄る辺なさの裏返しのような気がします。
今後とも、よろしく。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://shigemoto.blog105.fc2.com/tb.php/7-747f8eb0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

カウンター

カテゴリー

最新コメント

プロフィール

Author:重元 寛人
重元寛人です。本名は佐藤寛といいます。
フロイト全集の読解を再開いたします。よろしく。


facebookページ

リンク

フロイト研究会フロイト研究会

さとうメンタルクリニックさとうメンタルクリニック

クリニック開業への道のりクリニック開業への道のり


X-day

ブログ内検索

RSSフィード